加速度計の選び方とは?
質問集|加速度計の選び方とは?
振動センサーは、設備監視、構造ヘルスモニタリング、産業オートメーションなどの分野で広く使用されています。
しかし、適切なセンサーを選ぶ際には、技術仕様だけでなく、設置環境の制約や機器のサイズなどを総合的に評価する必要があります。
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センサー評価
機器サイズに応じた適切な振動センサーの選び方
振動センサー選定の重要性
振動センサーは、設備の稼働中に発生する振動を検出し、データ分析や診断を行うために使用されます。
しかし、適切なセンサーを選ばないと、機能が十分に発揮されず、設備の正常な運用にも影響を及ぼす可能性があります。
選定時の課題:
1. スペースの制約:装置の構造がコンパクトで、大型のセンサーを設置する余裕がない。
2. 測定精度の要件:小型センサーはスペースを節約できるが、性能に制限がある場合がある。
3. 取り付け方法:適切な形状でないと設置が困難になり、測定データが正確に取得できない可能性がある。
1. 小型機器向けのセンサー選定
小型機器には、以下のような特性を持つセンサーが適しています:
・コンパクト設計:狭いスペースにも取り付け可能。
・軽量設計:装置の負荷を増やさない。
・高感度:小型でも精度の高い測定が可能。
おすすめのセンサー例:
・圧電型マイクロセンサー:電子機器の振動試験に適用。
・MEMSセンサー:小型で組み込み用途に最適、多軸振動測定が可能。
2. 中型・大型機器向けのセンサー選定
中型・大型機器では、測定性能と構造適合性を考慮する必要があります:
・高耐久性:強い振動や衝撃に耐えられる設計。
・安定した取り付け:大型機器の構造にしっかり固定できる。
・広い周波数応答範囲:さまざまな動作条件に適応可能。
おすすめのセンサー例:
・ICP(圧電電荷型)センサー:高精度測定に適用。
・圧阻型センサー:低周波振動の測定に適した大型産業機械向け。
センサー評価
環境条件に基づく選定
1. スペース測定とモデル適合
取り付け前に、装置の利用可能なスペースを正確に測定し、センサーと他の部品との干渉を考慮する必要があります。
適切なセンサーを選ぶ際は、以下の条件を満たすものを推奨します:
• 形状互換性:不規則な取り付け面に適応できる小型センサーや特殊形状設計の製品を選択。
• 取り付けの柔軟性:磁力、ボルト、接着剤など複数の固定方法に対応し、異なるスペースの制約に適応可能。
2. 振動周波数と振幅
異なるサイズのセンサーは、周波数応答範囲と感度が異なります。目的の振動周波数と振幅に応じて適切なセンサーを選択することを推奨します。
• 高周波振動:高速応答特性を持つ圧電型センサーを選択。
• 低周波振動:圧阻型または高感度MEMSセンサーを選択。
3. 環境条件
センサーの性能は、温度、湿度、振動衝撃強度などの外部環境の影響も考慮する必要があります。
条件 | 影響 | 推奨選択 |
---|---|---|
高温環境 | センサー寿命の短縮 | 耐高温圧電型センサー |
湿気や腐食性環境 | 内部構造の損傷 | 高IP等級の防水・防腐センサー |
強い衝撃 | センサー部品の損傷リスク | 高衝撃耐性設計のセンサー |
加速度計の原理
圧電型センサー
加速度計の内部には圧電材料と質量ブロックが組み込まれており、振動が発生すると質量ブロックが圧電素子に作用し、電荷または電圧を発生させます。これにより、加速度の値を測定できます。
・加速度計の感度:mV/g (g:加速度)
・単位加速度入力に対して発生する電圧量
・単位:mV/g または mV/ms2
・電圧感度= 出力電圧値 / 入力加速度値
センサー
ワイヤレスセンサーの種類概要
温度センサー | 湿度センサー | 水検知センサー | 動作センサー | 傾斜センサー | 振動センサー |
電圧センサー | 交流電流計 | 電気抵抗センサー | 電圧検知センサー | 電流計(a) | 照度センサー |
光センサー | 圧力センサー | 磁気センサー | モーションディテクター | 液面センサー |
センサー評価
選定ステップ
1. アプリケーションの明確化
・測定対象のパラメータ(周波数、振幅、方向性)を特定し、一般帯域、高周波、低周波測定に適したセンサーを選択。
・測定範囲と精度の要件を決定し、最適なセンサー重量を選択することで、測定精度への質量効果を最小限に抑える。
・単軸測定だけでなく、多軸測定の必要性がある場合は対応可能なセンサーを選択。
2. 設備スペースの評価
・測定スペースのサイズと形状を考慮し、センサーの設置位置をリストアップ。
・センサーのサイズが設備の他の機能に影響を与えないことを確認。
・測定環境のスペースを評価し、適切なサイズのセンサーを選択。
3. 技術仕様の適合
・センサーの技術データシートを確認し、サイズや性能がアプリケーション要件を満たしているか検証。
・多機能センサーが必要な場合、単軸測定だけでなく多軸測定対応のセンサーも選択可能。
4. 環境条件
・高温・高湿などの厳しい環境では、特殊形状のセンサーを選択。
・化学薬品環境では、防爆仕様のセンサーを選択。
5. 伝送ケーブル
・異なる長さのケーブルを選択し、測定距離の制限を軽減。
・特性に応じて異なる材質のケーブルを選択。
6. 取り付け方法
測定要件に応じて、以下のような取り付けアクセサリーを選択:磁力式、ネジ固定式、接着式、ワックス固定式、環境用ベースなど。